不妊治療で飲むサプリに多く利用される「マカ」は、ペルーで伝承医療として長く用いられてきました。
別名「アンデス人参」と知られていて、現地では「アンデスの女王」と呼ばれています。
滋養強壮や疲労回復、強精に対する効果が有名なマカですが、即効性はあるのでしょうか?
知りたいところからどうぞ
マカに即効性はない!
マカは「アンデスのバイアグラ」「天然のバイアグラ」などと呼ばれていますが、実際には医薬品のような即効性はありません。
しかし、マカにはビタミンやミネラルが豊富に含まれていますので、不妊症や勃起障害の改善に効果があるといわれています。
以下は、マカ粉末100gあたりの成分です。
分析項目 | |
---|---|
カルシウム | 586mg |
鉄 | 11.5mg |
タンパク質 | 11.3g |
亜鉛 | 7.93mg |
アミノ酸 | |
アラニン | 0.39g |
アルギニン | 0.61g |
アスパラギン酸 | 0.67g |
グルタミン酸 | 0.73g |
グリシン | 0.35g |
ヒスチジン | 0.19g |
イソロイシン | 0.28g |
ロイシン | 0.45g |
リジン | 0.31g |
メチオニン | 0.11g |
フェニルアラニン | 0.29g |
プロリン | 2.49g |
セリン | 0.33g |
トレオニン | 0.33g |
チロシン | 0.20g |
バリン | 0.39g |
ただ、マカに対する臨床実験はまだ十分ではないため、データは基礎研究や症例報告が中心で、効果に対するメカニズムの多くはまだ明らかになっていません。
マカに即効性はないが1ヶ月~3ヶ月継続することがポイント
マカの効果を実感するためには、毎日継続して摂取することが大切です。
即効性がありませんので、一般的には1ヶ月、できれば2ヶ月~3ヶ月ほど続けて摂取し、その効果を確認するようなイメージを持ちましょう。
マカと亜鉛の違いは?どちらを摂ればいいの?
マカも亜鉛も、どちらも精子の質や量の改善や生殖機能の改善に効果があるとされている成分です。
では、どちらを選ぶのがより効果的なのでしょうか?
マカ・・・亜鉛も含まれていて、アルギニンなど複数の成分によって構成されている
亜鉛・・・亜鉛単体
このように、妊活に必要な様々な成分が摂れることからも、亜鉛単体よりもマカの方が効果的だといえます。
ただし、実際にサプリなどを利用する際には、配合されている亜鉛の成分量などを確認しておきましょう。
マカが精子を増やすといわれている理由
マカは「天然のバイアグラ」といわれているから
マカは、ペルーをはじめとするアンデス地方で、昔から強壮剤や基礎体力の維持、疲労回復などを目的として長く伝承医療として使われてきました。
最近では、生殖能力の維持や改善に関しても注目されていて、不妊症の改善に対しては男性だけでなく女性にも利用されていています。
マカは、標高4,000mものアンデス高原の厳しい環境の中で自生しているハーブで、ビタミンやミネラルが凝縮されていて「天然のバイアグラ」ともいわれています。
有機マカならさらに効果的
マカには一般的なマカ粉末と有機マカとの2種類があります。
日本国内で販売されている有機マカはJAS認定を受けており、「有機JASマカ」として販売されています。
有機JASマカは一般的なマカと比べて高品質で、含まれているアルギニンは約2.5倍もの差があります。
画像引用:有機マカの光健より
動物実験で精子を増やすことがわかったから
マカの効果は男性にも女性にもあると考えられていますが、比較的「効果があった」という症例が多いのは男性側に原因があった不妊症に対する効果です。
精子の産生促進(精子を増やす)、勃起や射精能力といった性行動の増強などの報告に関しては、主に動物実験で明らかになったものが多く報告されています。
マウスによるマカの実験
2000年に報告された研究では、正常なマウスと勃起障害のマウスに対してマカを22日間投与して、その性行動を観察しました。
すると、次のような結果となりました。
正常なマウス
マカ投与後に明らかに性行動が促進され、交尾と射精の回数が増加。
勃起障害のマウス
マカ投与後に、勃起に至るまでの時間が短くなった。
また、その他の動物に関しても、性行動の促進が見られたことで、マカは精子を増やし精力増強の効果があるといわれるようになりました。
ヒトの臨床実験では勃起障害の改善が認められている
マカのヒトに対する効果は、2001年に報告された臨床実験において「勃起障害の改善が認められる」と明らかになりました。
マカの人に対する臨床実験
1日あたり1.5g、あるいは3.0gのマカを8週間もしくは12週間摂取した男性(健常者)において、性的欲求の改善が認められた。
軽度の勃起障害の白人男性50名に対して、マカ乾燥抽出物2,400mgあるいは偽薬を12週間投与した臨床実験では、国際勃起機能スコア※の有意な改善が認められた。
※国際勃起機能スコア・・・ファイザーの外部サイトで確認できます
マカに副作用はあるの?効果的な飲み方は?
マカは、通常の食品に近い成分であり、目安量に従って摂取すれば、特に問題となるような副作用や健康被害は報告されていません。
ただし、1日の摂取目安1,000~4,000mgのところ、1日5,000mgを超えると過剰摂取により下痢や吐き気、頭痛やめまいなどの症状が出ることがあるので注意が必要です。
手間暇かけずにマカを摂るならサプリが一番
マカは「根っこ」を食する根菜です。
乾燥させパウダー状にすることで、食事に混ぜたり、飲み物に混ぜたりして飲むことが一般的です。
マカは熱に強く、火にかけても栄養素が損なわれないことから、古くから料理やスープなどに入れて食されてきました。
有名レシピサイトのクックパッドなどでは、マカパウダーを使ったレシピ(外部サイトへ)もたくさん載っていますが、なかなかマカを使って毎日料理することは簡単なことではありません。
そこで一般的なのが、サプリを使ったマカの摂取です。
サプリであれば1粒から2粒飲むだけで料理の手間や過剰摂取のリスクも減らすことができますのでおすすめです。
まとめ:マカには精子を増やす効果が期待できるが1ヶ月以上続けて摂取することがポイント
マカは、動物実験などにより、精子を増やし、性行動を促進する効果があるとわかっていまます。
また、ヒトによる臨床実験でも勃起障害の改善効果が報告されています。
ただし、医薬品のような即効性はなく、最低でも1ヶ月は続けて摂取することが大切なポイントとなります。
特に男性不妊への効果が期待されることから、「マカを飲んでみたい!」と試す方も少なくありませんが、妊活を成功させるためには早めのスタートと継続が一番大切なポイントとなります。